中3の社会(公民)の授業で実施した「死刑を存続することに賛成?反対?」という活動を紹介します
授業では基本的人権を学習した後、具体的な法律で刑法を学習します
生徒たちは基本的な人権に関する知識を身につけ、その後、より具体的な法律に焦点を当て、刑法について学習しました
次に、授業では社会的な議論を深める一環として、「死刑を存続することに賛成? 反対?」というテーマを取り上げました
死刑制度の概要説明
ディスカッションに入る前に、死刑制度の概要について生徒に説明します
主に、以下の4点で説明しました
死刑制度とは何か
死刑制度は、犯罪者が犯した重大な罪に対する刑罰として、その人の生命を奪う刑罰を指します
死刑は、殺人やテロなどの極めて重大な罪に対して、社会における報復や抑止の要素があると考えられています
日本はいつから取り入れているか
日本では、死刑制度は古くから存在し、歴史的にも長い間続いています
戦国時代や江戸時代にも死刑(斬首)が行われていましたが、
現代の死刑制度は戦後の日本において再構築され、1950年に復活しました。
世界は廃止する傾向にある
世界的に見ると、死刑制度の廃止が進んでいます
多くの国が死刑の廃止や死刑執行の停止を決定し、国際的な潮流として死刑廃止が進んでいると言えます
人権の観点※や刑罰の効果に対する疑念から、国際的な圧力や規範に従って死刑を廃止する国が増加しています
※死刑執行方法や収監中の待遇が拷問に該当すると、人権に反するため
日本はなぜなかなか廃止しないか
日本では死刑制度がなかなか廃止されない主な理由は、世論や政治的な要因が影響しています
一部の日本国民は死刑を犯罪の厳罰として支持しており、政治家もこれに応える形で死刑制度を維持しています
また、死刑執行に関しては、裁判の公正さや冤罪の問題が懸念されており、これらの懸念が死刑廃止への一因になっています
授業での活動「死刑制度を続けることに賛成?反対?」
ここまで説明したら討論に入ります
生徒たちは、このテーマについて様々な視点から情報を収集し、ディスカッションを行いました
課題1:ペアで死刑制度存続or廃止どちらの立場にするかを決める
実社会と同じように、自分がどちらの立場をとるか、2人1組で生徒に決めてもらいます
生徒が特に「こっち」というのが無さそうな時は、教員が列で決めてしまうこともありました
課題2:賛成派・反対派の立場の主張を4~5分読む
ペア討論を始める前に、自分が担当する立場の主張を読み込みます
この時、具体的にペアの相手にどういう説明、話をするか考えながら読むように伝えます
だいたい生徒が読み終えたら、互いにペア討論を開始させます
時間は2分間、30秒主張→30秒反論を2セット繰り返します
ペアで討論を終えたら、どういう感想を持ったか生徒数名に聞きました
課題3:自分の意見をまとめる
ペアでの討論をふまえて、最後に自分の意見をまとめる時間をつくります
この活動の意義:死刑についての新たな視点を得ること
死刑に賛成する立場からは犯罪抑止力や被害者の正義感に焦点を当てる声が上がりました
一方で、死刑反対の立場からは冤罪の可能性や人権侵害への懸念が挙げられました
このディスカッションを通じて、生徒たちは異なる意見に対する理解を深め、自らの考えを形成したように思います。
また、生徒たちは個々の立場や意見をまとめ、発表する場が与えられました
そ自らの意見を堂々と述べ、他の生徒との対話を通じて新たな視点を得ることができたはずです
この活動を通して、単なる知識の習得だけでなく、コミュニケーションや対話のスキルも向上させることができたのもメリットだったように思います
今後も実践的な学びを通して、社会で活躍するための力を養っていくようにしていきます
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