中1の地理の世界地誌では、アジア州を扱います
今回は、隣国・中国の一人っ子政策を活用した発問・活動を紹介します
中国の膨らんだ人口と問題点
日本では少子高齢化の悪影響が報道されることが多いため、
人口が多いことは生徒たちには一見良いことのようにうつるみたいです
中国にはかつて「多子多福」という考え方がありました(今は死語)
農村部では不足する貴重な労働力(人手)という側面もありました
しかし、中国で人口が爆発的に増えた結果、さまざまな問題が発生しました
そこで、中国政府は1979年に「一人っ子政策」※を打ち出します
※一人っ子政策:1組の夫婦が持つことのできる子どもが1人に制限され、違反者には罰金などが科された
この一人っ子政策に違反して、第二子を出産した夫婦に対して約130万元(約1700万円)の罰金が科された事例もありました
1組の夫婦が生涯で何人の子どもを持つかは、本来夫婦の自由であるはず
しかし、人口が多すぎることで食糧不足や衛生面の悪化などが起こりました
社会全体の利益を考えると、人口が多すぎることにも問題があるのです
個人の自由か社会の利益どちらを優先すべきか考える活動
生徒たちにとって、考えを深める題材なので、授業では下のようなプリントを配布してメリット・デメリットを考える時間を作りました
【課題1】中国の一人っ子政策のメリット・デメリットを考える
このテーマに限らず、年間を通して政策1つ1つに正の側面と負の側面があることを考える活動を設定しています
活動を通して
- 一人っ子政策に悪印象を持つ生徒も多いですが、本当にマイナスな部分だけなのか?
- 一方で、プラスな側面が多いと思う生徒にとっても、プラスな面を上回るマイナスはないのか?
を考えさせるようにしています
プリントのメリット・デメリットで特に大切だと思う部分にマーカーを引くように指示をし、
読み込んだ後はいよいよ簡易討論です
隣の席の人と、一人っ子政策のメリット・デメリットを1分ずつ話しあいします
【課題2】中国の一人っ子政策をどう評価するか考える
課題2として、ペア討論をふまえて中国の一人っ子政策の是非を考えます
メリット・デメリットを含めて考えると、是か非かどちらか1方に判定することは難しいです
そこで、評価の時は5段階評価を活用するようにしています
こうすると、是も非も含めて、選ぶことができ、生徒一人一人の違う意見を集めやすくなるからです
こうして生徒に書いたもらった意見の中で数人分をピックアップし、
次の授業で全体に共有します
こうすることで、生徒たちに一つの政策をめぐり色々な意見があることを実感するようにしています
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