中2の歴史の授業では、旧石器時代から新石器時代への入り口で縄文海進を習います
縄文時代、私たちの先祖たちはどのような環境で生活していたのでしょうか?
謎めいた時代の中で、特に「縄文海進」と呼ばれる出来事は、気候変動と密接に結びついています
気候の温暖化がもたらす影響は、単なる気象だけでなく、人々の生活にも大きな変革をもたらしました
今回の記事では、中2の歴史の授業で扱われた「縄文海進」を、わかりやすく説明する方法に焦点を当てます
縄文海進の流れは次のようににまとめられます
氷河時代は陸地に氷河がのっかっていた
地球は約260万年前から氷河時代にはいり、寒い時期(氷期)と比較的あたたかい時期(間氷期)を繰り返していました
この時期長い時間をかけて作られたのが「氷河」です
氷河:氷河は、寒冷な地域で降る雪が積もり、重なり合って圧縮され、氷となる。この氷は地形に影響を与えながら徐々に進んで流れ、地表の岩や土砂を侵食します。氷河の形成と進行には数千年以上かかるとされる
氷河が陸地にたまってくると、海水面にも影響が出ます
間氷期のうちに海水面から蒸発した水分が氷期の間に陸地に降り注ぐため、
水分が海水面にかえってこないのです
気候が温暖な現在は、海水面から蒸発した水蒸気は、通常河川を通って海に帰ります
ここから、氷河時代は現在よりも海面が低かったことがわかります
教科書で「氷河時代、日本は大陸と陸続きだった」と書いてあるのは、
(場所によっては)海水面が全て干上がって、海底の地面が表出していたからです
氷河時代の終焉→気候の温暖化
約1万年前に最後の氷河時代が終わり、地球が暖かくなると陸地に残っている氷河がとけ始めました
この時大量の水が海に流れ込み、海水面が上昇しました
海の面積が拡大する→海が陸地に向かって進んでくる→「海進」と表現します
また、この海進によって新たに生まれた時代が縄文時代なので、
この時の海進は縄文海進と呼ばれます
気候の温暖化による人々の暮らしの変化
縄文海進が起こるくらい、気候が温暖化したので、人々の暮らしにも大きな影響がでました
授業では、以下の3点を資料とともに確認しています
①大型動物の絶滅→小動物の狩猟
縄文海進により気温が上昇し、森林が広がったことで、大型動物が生息しにくくなりました
これに伴い、狩猟の対象が大型動物から小動物へとシフトしました
狩猟の主体が小動物になり、食生活も変化しました。
②森林が広がる→どんぐり・くるみなど木の実をたくさん取れるようになる
気候の変化とともに広がった森林は、様々な植物資源を提供しました
特に、どんぐりやくるみなどの木の実が豊富になり、これらは食料源として重要になりました
①とあわせて人々は新たな食糧を活用し、多様な食事を摂ることが可能になりました
③漁労が活発になった
縄文海進により、海の面積が拡大し、海岸線が変化したことで漁労が活発になりました
海の資源を利用することで、新たな食糧源が得られ、交易などにも利用されました(内陸部で貝や魚を食べた跡からわかります)
漁労の発展は、縄文時代の人々と海との関わりを強化しました
これらの変化は、縄文時代の人々が自然環境の変動に対応しつつ、新しい生計手段を見出し、
生活様式を変容させていく過程を示しています
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