地理のデータに対する生徒の嫌悪感
中1の地理の授業では、雨温図や統計、貿易の輸出額の割合
様々なデータを読み解きます
生徒の中には、
- データを見るのが面倒くさい
- なんで、わざわざデータと向き合わないといけないの?
とデータそのものに拒否反応を示す子もいます
ただ、各地域や各国の実態を正確に把握するためにデータの活用は欠かせません
生徒たちの苦手意識を少なくするため、1学期のはじめの方の授業で次のような活動を取り入れています
活動:熊谷市と那覇市はどちらが暑い?気温のデータから考えよう
これまで勤務した学校は神奈川・東京・埼玉なので、生徒にとってイメージしやすい関東地方を題材にします(以下実際のワークシートです)
埼玉県の熊谷市は、2018年に最高気温(41.1℃)を記録したこともある都市で
生徒にとっても、知名度は高いです
それでも、
「関東地方の都市よりも、南西諸島・沖縄県の方が暑いに決まっている」
と思っている生徒は多いです
データを見る前に、生徒に
「熊谷市と那覇市はいったいどっちの方が暑いのだろう?データを見て考えよう」
と投げかけ活動スタートです
熊谷市と那覇市の比較
データを見ると
- 7月・8月の最高気温平均は那覇と熊谷で1度前後しか差がない
- 7月の最高気温平均も、熊谷市と那覇の差は1.7度
- 8月、最高気温平均は熊谷市の方が高い
- 35度以上の日の日数を見ると、熊谷市の方が圧倒的に多い(6月・7月・8月)
ことに生徒たちも気が付きはじめます
熊谷市or那覇市が暑いと思う根拠
- 35℃以上の日数は、圧倒的に熊谷市の方が多い
- 夏場により暑いと感じるのは、熊谷市の方ではないか?
と熊谷市の方が暑いと結論づける生徒もいれば
- 年間の平均気温で見ると、熊谷市(15℃)より那覇市(23.1℃)の方が上だから、やはり那覇市が暑い
- 那覇市の場合、4月時点で平均20℃を超える気候になっているから、やはり那覇市が暑い
と那覇市をおす生徒もいます
こちらの問いかけに明確な答えはありません(だからこそ、生徒も発言しやすいです)
このワークを通しての狙い
この活動の狙いは
- 暑い・寒いという概念が実は抽象的なもの/人によって変わるものだと気づく
- データは何かを考えたり、自分なりの結論を下すための材料となるものだと気づく
の2つです
生徒たちのデータに対する見方が少しでも前向きになるよう、データを見る時は
「何を考えるためのデータなのか」
を明示するようにしています
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