【中2歴史】土偶は何のために壊されたのか?縄文時代の人々の願いを考える授業

中2歴史

縄文時代に存在した謎めいた土偶

その存在は何を意味していたのでしょうか?

中学2年生の歴史授業では、土偶に込められた願いを考える時間を設けました

まずは土偶についての基本的な知識を確認し、その後、なぜ土偶は壊れた状態で見つかるのか、そして生徒たちが自ら考える討論の場を設定しました

土偶とは

縄文時代に作られた土偶は、土や粘土を使って作られた人型の彫刻です

これらの土偶は、主に埋葬時にお墓に供えられたり、住居の中に祭壇として飾られたりしていました

その形状は様々であり、女性や妊娠した女性の姿を表現したものが多かったとされています

土偶はほとんど定形で出土しない

土偶は、粘土を練って作られたもので、強度が弱いため、落としたり、衝撃を与えたりすると簡単に壊れてしまいます

そのため、土偶は、日常的に使用される道具ではなく、祭祀や呪術などの儀式に使用されたと考えられています

儀式の際には、土偶は、神や精霊などの存在を象徴するものとして扱われていたため、故意に壊されるこ

ともあったと考えられます

土偶が故意に破壊された理由

多くの土偶が壊れた状態で発見されることがあります

これにはいくつかの理由が考えられています

一つは、埋葬時に土偶を壊してから納めた可能性があります

また、土偶が何らかの儀式や儀礼で壊れることも考えられます

授業活動「土偶が壊れた状態になっている理由はつぎのどれか?討論してみよう」

この討論では、生徒たちは自分たちで考え、次の3つの説について討論しました

① 病や傷の平癒を願って、土偶を自分自身に見立てて身代わりにする説

縄文時代の人々は、病や傷の平癒を願って、呪術的な儀式を行っていたと考えられており、土偶は、その儀式の対象として使われていたと考えられます

儀式の中では、土偶は、病や傷の原因となった悪霊を身代わりに引き受けるものとして扱われており、その悪霊を払うために、破壊するなどの行為が行われていたと考えられます

具体的には、土偶の頭や手足を折ることで、悪霊を祓ったり、病や傷の平癒を願ったりしていたと考えられています

また、土偶を細かく砕いて、川や海に流すことで、悪霊を海や川に流し去っていたとも考えられます

② 憎い相手を呪うため説

縄文時代の人々は、憎い相手を呪うために、呪術的な儀式を行っていたと考えられており、土偶は、その儀式の対象として使われていたと考えられます

儀式の中では、土偶は、憎い相手を象徴するものとして扱われており、その憎い相手を滅ぼすために、破壊するなどの行為が行われていたと考えられます

具体的には、土偶の頭や手足を折ることで、憎い相手を傷つけることを願ったり、土偶を細かく砕いて、憎い相手の家や畑に撒くことで、憎い相手を呪い殺そうとしていたとも考えられます

③ 豊穣祈願説

縄文時代の人々は、豊穣を願って、呪術的な儀式を行っていたと考えられており、土偶は、その儀式の対象として使われていたと考えられます

儀式の中では、土偶は、豊穣の神や精霊を象徴するものとして扱われており、その力を借りるために、破壊するなどの行為が行われていたと考えられます

具体的には、土偶の頭や手足を折ることで、豊穣の神や精霊を怒らせたり、土偶を細かく砕いて、畑に撒くことで、豊穣の神や精霊を呼び寄せようとしていたとも考えられます

授業で「土偶が壊された理由」を議論する

縄文時代の土偶は、その多くが壊れた状態で発見されています。その理由は、呪術的な儀式の一部として破壊された、古代人の破壊行為による、自然の影響による、などの説が挙げられます

この授業では、これらの説について、生徒が自ら考え、他の生徒と議論することで、理解を深めることをねらっています

①隣の生徒と話し合い

教師は、土偶が壊された理由の3つの説を説明し、生徒に理解させます

生徒は、隣の生徒とペアを組み、それぞれの説について、なぜその説が考えられるのか、考えを話し合います

話し合いの際は、以下の点に注意します

  1. それぞれの説のメリットとデメリットを検討
  2. 他の説と比較して、その説の妥当性を検討
  3. 他の説と矛盾する点はないか検討

②数名を選んで発表

教師は、ペアで話し合った内容を、数名の生徒に発表してもらいます

発表者は、話し合った内容を、わかりやすく簡潔に全体に伝えます

発表を聞く生徒は、発表内容について、質問や意見を述べます

③最後に1人1人が振り返りをする

教師は、授業の振り返りとして、以下の質問を投げかけます

  1. 土偶が壊された理由について、どのような考えを持ったか
  2. 他の説について、どのような考えを持ったか
  3. 自分の考えを深めるために、どのようなことを調べてみたいと考えるか

生徒は、これらの質問について、考えをまとめます

この授業では、以下の2つのねらいがあります

  1. 土偶が壊された理由について、生徒が自ら考え、理解を深めること
  2. 発表を通して、自分の考えをわかりやすく伝える力を養うこと

です

評価

この授業では、以下の観点から評価を行います。

  1. 土偶が壊された理由について、自ら考え、理解を深めることができたか
  2. 発表を通して、自分の考えをわかりやすく伝える力を養うことができたか

この授業の意義

この授業を通して、生徒が土偶が壊された理由について、自ら考え、理解を深め、発表を通して、自分の考えをわかりやすく伝える力を養うことを期待しています

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