【中1地理】「アフリカの飢餓に関わる問題について、優先順位をつけてみよう」

中1地理

中1の地理の世界地誌で学ぶアフリカの授業活動です

アフリカでは気候や農業の勉強で、「サヘル」という地域を扱います

サヘル:アフリカ大陸の北部に位置する地域で、地理的には砂漠地帯であるサハラ砂漠と、南部は熱帯地域であるスーダン・サヘル地域との境界に位置している。サヘルは、西から東にかけて、大まかにはモーリタニア、モーリシャス、セネガル、マリ、ニジェール、ブルキナファソ、チャド、スーダン、エリトリアなどの国々にまたがっている。

近年、サヘルが拡大していることが大きな問題となっています

授業では人口の増加と農業の観点から、サヘルの砂漠化について説明します

サヘルが拡大した理由

サヘルが拡大した主な理由は、気候の変化と人間の活動による影響、2つの面が絡んでいます

①気候の影響

サヘル地域では、昔から季節ごとの天気が不規則で、雨が降る場所や時期が変動します。

1968年~2000年代まで、降水量が少ない時期が続きました

結果、雨が少なく植物が育ちにくくなり砂漠化が進んでしまったのです

②人間の活動

1968年までの時期は、降水量の多い時期が続いていました

降水量の多い時期に食糧が確保できた分、人口が増加していました

そこで①のように、降水量が少ない時期が続きます

過耕作

人口の増加に対応するため、

この地域では、より多くの農地を作るために草や木を取り払いました

その結果土の栄養が回復する前に耕作をするので、土地が荒れてしまいました

過放牧

人口増加に対応するため、たくさんの家畜を飼いました

家畜を食糧にしていくには、放牧地が必要です

家畜は放牧されると、餌として地面の牧草を食べます

家畜はお腹が空くと、草の根っこの部分まで食べてしまいます

結果、根までとれた草が再び生えることはなく、砂漠化が進んでいます

過伐採

さらに影響は広がります

人口が増加した状態で毎日の炊事を行うと何が必要になるかわかりますか?

燃料です

ご飯の煮炊き、建築材などでも利用します

結果、気が少なくなる・生えなくなることになり、砂漠化が進みました

グループ討論活動「飢餓に関わる問題のどこから着手すべき?」

ここまで説明したら、いよいよ活動に入ります

飢餓が生み出す問題として、教科書や資料集では次の4点が紹介されています

①自然災害(干ばつや洪水など)②紛争③貧困④食品ロス

生徒には「これらの問題が山積みの中、どの問題から解決に向けて着手すべきだろうか?

と問いかけます

どの問題も第一に取り組むべきものですが、優先順位をつけることで

  • 問題をより深く知ろうとする
  • その問題が今現在どれくらい深刻なのかを考えようとする

からです

ただ、いきなり順位付けをすると難しいと思ったので、1度概要を説明しました

① 自然災害(干ばつや洪水など)

ここまで説明してきた通り、砂漠化が進むことで干ばつなどの災害が起こりえます

また、木々がなくなることで地面の保水能力がなくなり、雨が降った場合には洪水の確率が高まります

洪水が起こることで、ますます農作物が育たなくなり、食べ物が不足することもあります。

② 紛争

食べ物が少なくなると、食糧をめぐる紛争が起こります

国や地域で大規模な戦争が起こり、人々が対立してしまうと、農地が荒れたり、食べ物がなくなったりすることがあります

③ 貧困

お金がなくて十分な食べ物を買えない「貧困」状態も深刻です

貧しい人たちは十分な栄養を摂ることが難しく、飢餓になることがあります

④ 食品ロス

食品が無駄になることも飢餓の原因です

食べ物が捨てられたり、使えるのに使われなかったりすると、本当に食べ物が必要な人たちに届かなくなります

これらの問題のどこから着手すべきかを教科書も参考にしながら生徒たちに考えてもらいます

そして、なぜその解決順位にしたかの理由をまとめたら、回収します

1ページ8枚印刷を利用すれば1枚におさまるので、次回の授業でクラス全体に共有します

討論活動をする時のルール提示

補足です

授業プリントにあるように、討論をする時の役割分担と各役割の仕事内容を明記しました

学校にもよりますが、他の授業で討論活動の経験が少ない場合

いきなりスムーズな話し合いを進めるのが難しい班もあるからです

できるだけ話し合いの中身に時間が使えるよう、プリントにあるような

  • 司会
  • 書記
  • 話し合いに加わる他のメンバー

がすべきことを明示しておくことが大切だと思います

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