【中2歴史】第一次世界大戦は日本にとって天祐?天祐じゃない?第一次世界大戦と日本を考える授業

中2歴史

第一次世界大戦は、1914年から1918年にかけてヨーロッパで行われた大規模な戦争です

日本は、同盟国であるイギリスの支援を理由に参戦し、短期間で勝利を収めました

日英同盟を口実に第一次世界大戦勃発

1914年6月、オーストリア=ハンガリー帝国がセルビア王国に宣戦布告したことをきっかけに、第一次世界大戦が勃発しました

日本は、1902年に締結した日英同盟に基づき、同盟国であるイギリスの支援を理由に参戦を表明しました

第1次世界大戦前の国内状況~財政難とその対策~

1905年に日本は、ロシアとの戦争に勝利し、列強の仲間入りを果たしました

しかし、その勝利の代償として、日本は財政難に陥っていました

その理由は、以下の2つです

戦費の増大

1つは、戦費の増大です。日露戦争は、当時としては史上最大規模の戦争でした

日本は、この戦争に勝利するために、巨額の戦費を投入しました

戦費の調達には、国内外の公債の発行に頼らざるを得ず、その結果、国債残高が急増しました

軍事費の増大

もう1つは、軍事費の増大です

日露戦争での勝利は、日本に軍事大国としての地位をもたらしました

しかし、その代償として、軍事費は増大し、財政の大きな負担となりました

国民生活への影響

日露戦争後の日本は、財政難に陥ったことで、国民の生活にも大きな影響を与えました

増税や徴兵制の拡大などにより、国民の負担は増加し、不満が高まりました

また、戦後の不況も重なり、経済は停滞しました

日露戦争後の財政難は、日本にとって大きな課題となりました

政府は、財政再建のために、増税や軍縮などの改革を進めましたが、その道のりは険しいものでした

しかし、第一次世界大戦が起こると、日本の景気は上向きました

第一次世界大戦で日本は好景気

第一次世界大戦中、日本は、アジア市場、ヨーロッパ市場、アメリカ市場への売上を拡大し、好景気となりました

具体的には、以下のような要因が好景気の背景にあります。

軍需品の輸出

日本は、戦争で物資が不足した欧米諸国から、軍艦や砲弾、弾薬などの軍需品を大量に輸出しました

これにより、日本の重工業は大きく発展し、産業構造の近代化が進みました。

食料の輸出

日本は、戦争で食料が不足した欧米諸国に、米や麦などの食料を大量に輸出しました

これにより、日本の農業は潤い、農家は豊かになりました

大戦景気の影響

第一次世界大戦は、日本にとって大きな転機となりました

戦争による好景気によって、日本は経済的に大きく成長し、近代化をさらに進めることができた※のです

※とはいえ、実質賃金は低いままでした

また、日本政府は、中国に21箇条の要求を突きつけ、中国への市場参入を拡大しようとしました

第一次世界大戦は日本にとって天祐だったのか?天祐じゃなかったのか?を考える活動

ここからいよいよ討論活動です

授業では「第一次世界大戦は日本にとって天祐?天祐じゃない?

というテーマについて、生徒2人1組でディスカッションをしました

内容に入る前に、双方の立場の概要を説明しました

「天祐だった」立場

短期的な経済的利益

第一次世界大戦は、ヨーロッパ諸国の植民地や市場からの引き上げにより、日本経済に大きな追い風となりました

特に、石炭、綿花、鉄鋼などの資源価格が高騰し、日本は輸出を拡大して莫大な利益を得た。

国際的地位の向上

第一次世界大戦において、日本は連合国側として参戦し、ドイツ領だった南洋諸島を獲得しました

これにより、日本は列強の一員としての地位を確立した

軍事力の強化

第一次世界大戦の経験から、日本は軍事力の強化を図りました

特に、海軍力は大幅に増強され、太平洋における覇権を握る上での基礎となりました

「天祐じゃない」立場

長期的な国際関係の悪化

第一次世界大戦は、ヨーロッパ諸国間の対立を激化させ、新たな戦争の危機を招きました

日本は、この戦争の結果として、中国や朝鮮における権益をめぐって、列強との対立を深めました

軍国主義の台頭

第一次世界大戦の勝利により、日本は軍国主義が台頭する契機となりました

軍部は、軍事力の強化を推進し、政治への介入を強めました

国民生活の悪化

第一次世界大戦の戦費負担により、日本の財政は逼迫し、国民生活は悪化しました

特に、戦後の不況により、失業や貧困が拡大しました

自分の意見をまとめる

ペアの生徒で話し合いを終えた後、時間がある場合には前後の列で生徒を分け、別の生徒と討論を行わせるなどしました

他者の意見をふまえて、最終的に自分の意見を次のプリントにまとめてもらいました

この授業の意義 3つのポイントを考えることができた

この授業では3つのポイントを生徒が深く考えられたと思います

  1. 短期的な経済的利益と、長期的な国際関係の悪化をどう評価するか
  2. 国際的地位の向上と、軍国主義の台頭をどう評価するか
  3. 軍事力の強化と、国民生活の悪化をどう評価するか

結論

第一次世界大戦は、日本にとって、短期的には「天佑」であったと言えます

しかし、長期的には、軍国主義の台頭や、労働者の不満の高まりなど、日本にとって負の遺産を残すことになります

これらを深く考察できたことがこの授業の意義だったように思います

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