今回の記事では、「日本の国会のしくみを考える授業」の一環として、日本の国会制度に焦点を当て、具体的には「二院制」について考察します
政治の根幹をなすこのテーマについて、生徒たちとともに一緒に深く掘り下げ、議論を進めてみました
日本の国会:二院制を採用
日本の国会は、衆議院と参議院の二院制を採用しています
これは、法案が通過するためには両院の賛成が必要であり、その仕組みは慎重な審議と多様な意見の反映を可能にしています
しかし、一方で二院制がもたらす課題や制度の改革についても議論の余地があります
授業ではこのことを考える活動を作りました
講義:二院制を採用している理由とその課題
活動に入る前に、二院制のを重視している理由とその課題を説明します
法律を作る時、2回確認できる
まず、国の法律を作る時、一回で決めるのではなく、二回確認するしくみがあります
これが「二院制」です
参議院の承認を持ってはじめて、計画を進めています
変な法律ができにくく、慎重に考えてから実行することができるのです
権力を分散
二院制は、決まりごとを作る力が一つのグループに集まらないようにする方法でもあります
人間なので、一方(衆議院)の判断が間違えることもあります
衆議院と参議院が協力しながら法案を作っているのです
二院制の課題の説明
二院制の課題は次のようにまとめられます
審議の遅延と効率の低下
二院制では法案が両院で審議されるため、可決までに時間がかかり、迅速な政策対応が難しい場合があります
コストの増大
二院制は二つの議会が独立して存在し、それぞれに議員や職員が必要となるため、
運営コストが増大し、税金の浪費と見られることもあります
意見の対立と行き詰まり
異なる政党や意見が各院に存在しやすいため、対立や行き詰まりが生じ、
合意形成が難しくなることがあります
政策の一貫性の欠如
異なる政党や派閥が二つの院に存在することが、政策の一貫性を損なう可能性があり、方針の安定が難しくなります
これらの課題は、二院制がもたらすメリットとのバランスを考える上で重要な要素です
政治システムの改革や調整が求められ、議論と検討が進められています
活動:日本は二院制を続けていくべき?やめるべき?考えてみよう
二院制のメリット・デメリットをふまえて日本が今後二院制を継続すべきかどうかを考えます
①自分の立場を読み込む
隣に座っている生徒と2人1組でペアを作ります
その後、二院制を続けるべきだと考えるか続けないべきと考えるかで立場を決めます
②2分間互いに討論
自分の立場を30秒主張→30秒反論を聞くを2セット繰り返します
生徒はもっと話したかったみたいで、授業では実際に4分取りました
討論を通して自分の主張の肉付けと他者の視点を獲得できます
③話し合いの結果、何が主な論点となったかを聞く
生徒の数名を指名し、何が主な論点となったかを聞きます
ペアによって、異なる討論になっているのでとても面白いです
④まとめ:自分の意見をまとめる
ここまでできたら、最後は自分の意見をまとめます
プリントに自分の意見を理由とともに書いてもらい、
次回、生徒にクラスルームなどを利用して配信・共有しました
この活動を通じて二院制のメリットとデメリットを探り、国会制度のあり方について生徒とともに考えました
政治が社会に与える影響を理解し、良い方向へと導くために、じっくりと議論を進めることができたと思います
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