今回は、「歳入」に焦点を当てた授業の紹介です
活動の内容に入る前に、歳入や赤字国債についての説明から入ります
歳入の使い道に無駄はない?
歳入とは、国や地域が収入(税)として得る資金のことであり、その使い道は私たちの生活に密接に関わっています
節約とは限られた資源を効果的に活用し、社会全体の安定と発展に寄与することです
我々がどの項目から節約を優先すべきか、その優先順位を考えていくことで、より健全な社会を築くための知識を深めることが必要です
日本では歳入以上に、歳出(≒支出)の金額が多くなっているため赤字国債についての知識を持っておくことも大切です
次に、赤字国債の概要を説明します
日本の赤字国債についての説明
国は教育、医療、インフラ整備など、様々な分野において支出を行う必要がありますが、時には歳入が歳出を上回る状況が生じます
このような時、国は財政的な支援を得る手段として『赤字国債』を発行します(2023年度、日本政府はあらたに35兆6230億円の国際を発行しました)
赤字国債は、国が市場や個人から資金を借り入れ、これによって一時的に歳出を賄うことができる仕組みです
国債は市場で販売され、個人や企業はこれを購入することで国に資金を提供します
しかしながら、赤字国債の発行は将来の債務返済を伴うため、慎重な計画が求められます
国は経済の健全性や将来の見通しを考慮しながら、効果的に資金を活用する必要があります
赤字国債は一時的な支援手段であるため、持続可能な財政計画の一環として適切に活用されることが重要です
日本で赤字が続いている理由
日本の赤字国債が増加している理由にはいくつかの重要な要因が影響しています
歳出の節約を考えることがこの授業の趣旨なので、授業では主な点のみ紹介しました
少子高齢化
高齢化が進行していることが重要な要素の1つです
高齢者向けの社会保障費用が増大しており、これには莫大な資金が必要です
年金や医療などの社会保障制度の拡充が歳出を押し上げ、その資金調達のために赤字国債が発行されています
公共事業への投資
また、政府は大規模な公共プロジェクトやインフラ整備に資金を投入しています
これは社会全体の利益を考慮した措置ですが、同時に歳出の増加を招き、その資金調達手段として赤字国債が活用されています
授業の活動
ここまで説明したらいよいよ活動に入ります
授業ではこちらのプリントを元に話し合いを進めました
① 国の支出を紹介する
優先順位を付ける前に、政府が何にお金を使っているのか、生徒に理解してもらうよう簡単に概要を紹介します
社会保障関係費
- 国民の社会保障制度に関連する支出
- 年金、医療、雇用保険など、社会的な安全網を構築・維持するための費用
国債
- 国が借金をし、その債務を返済するための支出
- 政府が財政資金調達のために発行した国債の利息や元本の支払い
地方交付税交付金等
- 地方自治体への財政支援
- 国税収入から地方自治体へ配分される税交付金や補助金、地方交付税など
公共事業関係費
- 国が実施する公共事業に関連する支出
- 道路、橋、ダムなどの建設・維持、災害復旧などが含まれる
文教及び科学振興費
文化、教育、研究、科学技術の振興に関する支出
学校教育、研究機関への予算、文化・芸術の支援などが含まれる
防衛関係費
- 国の安全保障に関連する支出
- 自衛隊への予算や国防施設の維持、武器装備の開発・調達などが含まれる
② 自分の中で節約すべき優先順位をつける
国民生活において何が最も重要で、どの項目が削減可能か、自分の価値観や必需品に応じて考えていくよう促します
③ その理由を書く
なぜその項目が優先されるのか、それは将来の目標や必要なものに関連しているのか、具体的な理由を書き出していきます
これによって、節約すべき優先順位がより明確になります
③ 4人1組グループで共有
次に、各自が考えた節約の優先順位をグループで共有します
お互いの視点や理由を交換し、異なる視点からの意見や情報を得ることで、より幅広い視野で節約についての理解が深まります
それぞれの考えを尊重しながら、共通点や相違点を明らかにするよう伝えます
④ グループとしての結論を出す
最後に、グループとして節約の結論を出します
個々の優先順位や理由を総合的に考え、どの項目がグループ全体で重要視されるかを共通の結論としてまとめます
これにより、個々の意見を尊重しつつ、協力して節約に向けた具体的なアクションプランを考え出すことができます
授業の振り返り
授業を終えて、以下の4点がこの授業の意義だったように感じています
- 節約の優先順位を決める際に、各項目の理由を具体的に書き出すことで、冷静かつ合理的な判断ができる。
- 将来の目標や必要なものに対する理解を深め、税金の節約がなぜ重要なのかを明確に認識する
- グループで意見を交換することで、異なる視点から節約のアプローチを学び、新たな視点を得る
- お互いの理由や考えを共有することで、より広範な情報を得て、総合的な理解を深める
生徒たちの取り組んだ内容をもとに、次年度さらにブラッシュアップしていきたいと思います
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